印紙税とは?不動産取引における・・・

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投稿日:2024/06/03

印紙税とは?不動産取引における基本と計算方法

印紙税とは?不動産取引における基本と計算方法

印紙税は、不動産取引において重要な役割を果たす税金です。不動産の売買契約や建築工事請負契約など、さまざまな契約書に適用されるこの税金について、基本から詳しくご紹介します。印紙税がなぜ必要なのか、どのように計算するのかを具体的な例を交えてわかりやすく説明します。また、印紙税額の一覧表も掲載しているので、取引金額に応じた税額を簡単に確認できます。さらに、印紙税の納付方法や不動産売買契約書の取扱いに関する注意点についても詳しく解説します。特に、5万円未満の領収書が非課税となるケースや、契約書の写しを活用することで印紙税を節約する方法など、実務に役立つ情報を提供します。この内容を参考に、印紙税に関する知識を深め、不動産取引をスムーズに進めてください。

 

 

印紙税とは何か?

印紙税とは、特定の法的文書(課税文書)に対して国が課す税金(国税)のことです。この税金は不動産の売買契約や建築工事請負契約などのさまざまな契約書に適用されます。印紙税は、税金を広く・浅く課税するもので、契約書に金額が書かれているということは、その契約後に何某かの経済活動が行われることを意味しています。つまり、不動産を売る(買う)、工事を発注する(請け負う)という経済活動がなされるため、印紙税法の規定により、課税文書に該当する契約書を作成した時点で、契約書の作成者は印紙税を納める義務を負います。

 

印紙税は文書の形式や内容によって分類され、それぞれの文書には異なる税率が適用されます。例えば、不動産売買契約書では、記載された金額に応じて数百円から数万円の印紙税が必要です。また、特定の条件を満たす場合には、印紙税が軽減されたり免除されたりすることもあります。

 

不動産取引においては、印紙税の適用範囲や税額の計算方法を理解しておくことが重要です。これにより、契約書を作成する際に適切な印紙を貼付し、納税義務をはたすこととなります。

 

印紙税の計算方法

印紙税の計算は、契約書や取引文書に記載された金額に基づいて行います。まず、取引対象となる物品やサービスの単価と数量を掛け合わせて総額を計算します。例えば、工事請負契約書に「㎡単価5,000円、面積1,000㎡」と記載されている場合、契約金額は5,000円×1,000㎡=5,000,000円となります。

 

この契約金額に基づいて、適用される印紙税額が決まります。印紙税額は一般的に契約金額の範囲ごとに定められており、国税庁の印紙税額一覧表に基づいて計算されます。例えば、契約金額が1万円未満の場合、印紙税は非課税ですが、50万円以下の場合は200円の印紙税が課されます 。

 

また、建設工事の請負契約書など特定の契約については、軽減措置が適用されることがあります。この場合、通常よりも低い税額で印紙税が計算されます 。

 

印紙税を正確に計算するためには、契約書に記載された全ての金額要素を確認し、正確に合算することが重要です。記載金額が不明確な場合や、複数の項目がある場合には、それぞれの項目を個別に計算し、その合計を用いることが求められます 。こうして計算された金額に基づいて、適切な印紙を契約書に貼付することとなります。

 

税額の求め方

税額は主に契約書などの課税文書に記載された金額をもとに決められた金額になります。

 

税額の一覧表

契約書の印紙税額一覧表(課税文書に記載されている金額に応じて、法令所定の印紙を貼付していただきます)

記載金額 不動産売買契約書 建築工事請負契約書の表 金銭消費貸借契約書

税額

※軽減は2027年3月31日まで

税額

※軽減は2027年3月31日まで

税額

 

1万円未満 非課税 非課税 非課税
10万円以下 200円 200円 200円
50万円以下 400円(軽減後:200円) 200円 400円
100万円以下 1,000円(軽減後:500円) 200円 1,000円
200万円以下 2,000円(軽減後:1,000円) 400円(軽減後:200円) 2,000円
300万円以下 2,000円(軽減後:1,000円) 1,000円(軽減後:500円) 2,000円
500万円以下 2,000円(軽減後:1,000円) 2,000円(軽減後:1,000円) 2,000円
1,000万円以下 1万円(軽減後:5,000円) 1万円(軽減後:5,000円) 1万円
5,000万円以下 2万円(軽減後:1万円) 2万円(軽減後:1万円) 2万円
1億円以下 6万円(軽減後:3万円) 6万円(軽減後:3万円) 6万円
5億円以下 10万円(軽減後:6万円) 10万円(軽減後:6万円) 10万円
10億円以下 20万円(軽減後:16万円) 20万円(軽減後:16万円) 20万円
50億円以下 40万円(軽減後:32万円) 40万円(軽減後:32万円) 40万円
50億円超 60万円(軽減後:48万円) 60万円(軽減後:48万円) 60万円
記載金額のないもの 200円 200円 200円

 

印紙税の納付方法

印紙税の納付方法にはいくつかの手順があります。主な方法は、収入印紙を使用することです。以下に具体的な手順を説明します。

 

  • 収入印紙の購入

まず、郵便局や一部の金融機関で収入印紙を購入します。収入印紙の金額は、課税文書に記載された金額に基づいて決まります。

 

  • 課税文書への貼付

購入した収入印紙を課税文書(契約書や領収書など)に貼付します。この際、収入印紙が確実に貼られていることを確認してください 。

 

  • 消印の押印

収入印紙を貼付した後、その印紙と文書にかかるように消印を押します。消印は、収入印紙の再利用を防ぐためのもので、印章や署名を用いて行います 。

 

なので、印紙税を納税するタイミングは、収入印紙を購入した時でも課税文書に貼付した時でもなく、貼り付けた後に印章や署名で消印した時となります。

 

不動産売買契約書の取扱い

不動産売買契約では、通常契約書を2通作成して、売主・買主双方で署名押印の上、保管することが一般的です。この場合、印紙は各々の契約書に貼付する必要になります。しかし、主に買い取りなどを行なう宅建業者は、契約書を1通だけ作り、その写しを保管することで印紙を節約しようというケースが散見されます。この場合、気を付けたいのは、写しも契約書と連動した重要な文書であり、事実上契約書と同様の扱われるものは、印紙が必要なるケースがあります。あとで、税務署に印紙税が払っていないことがばれると過怠税が徴収されることになるので注意しましょう。

 

過怠税とは?

印紙による納付の方法によって印紙税を納付することになる課税文書の作成者が、その納付すべき印紙税を課税文書の作成の時までに納付しなかった場合には、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額(すなわち印紙税額の3倍)に相当する過怠税を徴収されることになり、また、貼り付けた印紙を所定の方法によって消さなかった場合には、消されていない印紙の額面金額に相当する金額の過怠税を徴収されることになっています。

 

印紙税がかからない場合

印紙税は、特定の条件を満たす文書に対してのみ課税されますが、場合によっては印紙税がかからないケースも存在します。以下に、代表的な例をいくつか挙げて説明します。

 

  • 電子契約

電子契約書は紙の契約書と異なり、印紙税がかかりません。これは、電子契約が法的に認められており、収入印紙を貼る必要がないためです。電子契約を利用することで、印紙税のコストを削減することができます。

 

  • 非課税文書

印紙税法で定められていない文書、すなわち課税文書に該当しない文書には印紙税がかかりません。例えば、単なる確認書や覚書などは課税文書ではないため、印紙税は不要です。

 

  • 少額の契約

一部の契約書では、記載されている金額が少額である場合、印紙税がかからないことがあります。具体的には、契約金額が1万円未満の契約書は非課税となります。

 

  • 領収書の例外

5万円未満の領収書には印紙税がかかりません。また、クレジットカードを利用した場合の領収書も非課税です。これにより、小額取引の際には印紙税の負担を軽減することができます。

 

  • 特定の業種

特定の業種や取引形態においても、印紙税がかからない場合があります。例えば、運送契約書や一部の請負契約書などが該当します。

 

これらの条件を満たすことで、印紙税を節約することが可能です。取引の際には、契約書が課税文書に該当するかどうかを確認し、適切に対処することが重要です。

 

印紙税に関する参照URL

本記事作成にあたり参照した国税庁の各ページをご紹介します。

 

引用元:国税庁 No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

 

引用元:国税庁 印紙税の手引

 

引用元:国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

 

引用元:国税庁 No.7129 印紙税の納付方法

 

引用元:国税庁 課税文書の作成時期及び作成者

 

引用元:国税庁 No.7120 契約書の写し、副本、謄本等

 

引用元:国税庁 印紙を貼り付けなかった場合の過怠税

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