名古屋市東区土地市場2026年・・・

コラム

土地購入売却

名古屋市東区土地市場2026年予測高額取引と中央値で読む売買価格

名古屋市東区土地市場2026年予測高額取引と中央値で読む売買価格

「東区で高額な土地成約を見かけると、自分の土地も同じ水準で売れるのか判断がつかない」

「都心に近い土地を買いたいが、土地代に加えて建築費まで考えると予算の置き方が難しい」

 

名古屋市東区(以降【東区】で表記)の土地は、数千万円の住宅用地と1億円を超える土地が同じ年に動くため、区全体の平均価格だけでは実像をつかみにくい市場です。2025年はレインズで44件、不動産情報ライブラリで37件の取引事例が確認され、中央値にも差がありました。高額地が平均を持ち上げる一方、100~149㎡の比較的コンパクトな土地も多く流通しています。2026年は住宅ローン金利と建築費が買主の総予算を圧迫するため、売主は「東区だから高い」という期待だけで値付けせず、買主は土地単価だけでなく建物完成までの支出を先に組み立てることが欠かせません。ここでは、東区特有の価格幅を実務目線で整理し、売却と購入の判断につなげます。

 

注意事項

本記事における第1四半期(Q1)等の表現は不動産情報ライブラリの表現にあわせています。

第1四半期(Q1)…1月~3月

第2四半期(Q2)…4月~6月

第3四半期(Q3)…7月~9月

第4四半期(Q4)…10月~12月

※一般的な年度(4月スタート)における四半期の表現とは異なりますのでご注意ください。

 

監修者

監修者

松屋不動産販売株式会社

代表取締役 佐伯 慶智

住宅・不動産業界での豊富な経験を活かし、令和2年10月より松屋不動産販売株式会社にて活躍中。それ以前は、ナショナル住宅産業(現:パナソニックホームズ)で8年間、住友不動産販売で17年間(営業10年、管理職7年)従事。

 

 

目次

高額成約が混在する2025年の名古屋市東区土地市場をどう捉えるか

東区の土地市場では、区全体の平均を一つの相場として扱うほど判断を誤りやすくなります。2025年はレインズの中央値4,715万円に対し、不動産情報ライブラリは8,000万円。収録される取引構成が違うからこそ、共通する動きと異なる部分を切り分け、土地の面積・用途・立地条件へ落とし込むことが重要です。

 

平均価格は6,677.5万円と1億1,143.2万円まで開いた

レインズの平均成約価格は6,677.5万円、不動産情報ライブラリは1億1,143.2万円でした。数字だけを見ると別の市場のようですが、東区では高額な土地が数件入るだけで年間平均が大きく動きます。不動産情報ライブラリでは最高3億8,000万円、レインズでも最高2億1,200万円です。売却査定で年間平均をそのまま坪単価へ置き換えると、住宅用地には強すぎる価格が出ることがあります。反対に高容積・まとまった面積を持つ土地では、住宅地の中央値だけを基準にすると価値を見落とします。最初に土地の性格を分けることが東区では特に重要です。

 

中央値4,715万円と8,000万円の差は取引構成の違いを映す

レインズの成約価格中央値は4,715万円、不動産情報ライブラリは8,000万円です。中央値にも差がありますが、どちらか一方だけを正解と決める必要はありません。レインズでは成約価格帯3,000万~4,999万円が16件で最多となり、面積帯では100~149㎡が17件でした。住宅用地として検討しやすい規模が厚く含まれています。一方、不動産情報ライブラリは2億~2億9,999万円が8件あり、高額取引の存在感が強い年でした。実務では、自宅の土地がどちらの分布に近いかを先に確認し、そのうえで町名、接道、容積率、形状を加えて価格を絞ります。

 

東区は「土地の広さ」より利用価値で価格差が生まれやすい

100㎡前後の土地でも、幹線道路への接し方、商業系用途地域か住居系か、容積率をどこまで使えるかで買主層が変わります。東区は戸建用地だけでなく、収益物件や事業用の検討が入る場所もあり、面積が同じなら価格も近いという単純な関係になりません。売主は面積と坪単価だけを強調するより、「誰がどのように使いやすい土地か」を整理した方が価値を伝えやすくなります。買主側も、安い坪単価に惹かれる前に、希望建物が入るか、斜線・道路・セットバック等で計画が狭まらないかを確認すべき市場です。

 

 

レインズ44件から見える仲介市場の中心価格と土地サイズ

レインズ44件を見ると、仲介市場で実際に比較されやすい価格帯と土地面積が見えてきます。年間平均は高額成約で上振れしていますが、件数が集まった帯を確認すると、東区で住宅用地を探す買主の予算感に近い輪郭が現れます。四半期の上下も、相場そのものより取引内容の違いとして読むのが適切です。

 

Q2は16件で最多、Q4は中央値7,590万円まで上昇

四半期の数字から売り時を決めるより、どの価格帯の土地がその時期に動いたかを見る方が役に立ちます。2025年はQ2が16件で最も多かった一方、Q4は11件でも中央値が7,590万円まで上がりました。これは年末に東区全体の相場が急騰したという意味ではなく、高い価格帯の成約が重なった結果です。売主は「Q4が高い」という表面だけを追わず、自分の土地と近い面積・用途・道路条件の取引を拾うべきです。買主も四半期平均の上下ではなく、同じ予算で競合した土地が何件あったかを見ると、値引き余地や判断速度を考えやすくなります。

 

表1 レインズにおける2025年名古屋市東区【土地】四半期別成約データ

期間

取引件数

平均成約価格

平均土地面積

成約価格中央値

最高成約価格

最高価格の町名

2025年Q1

11件

7,081.8万円

155.03㎡

5,800.0万円

20,000.0万円

東大曽根町

2025年Q2

16件

6,266.3万円

141.13㎡

3,840.0万円

13,500.0万円

主税町4丁目

2025年Q3

6件

4,801.7万円

135.30㎡

4,125.0万円

7,560.0万円

矢田4丁目

2025年Q4

11件

7,894.5万円

154.66㎡

7,590.0万円

21,200.0万円

徳川町

2025年合計

44件

6,677.5万円

147.19㎡

4,715.0万円

21,200.0万円

徳川町

出典:REINS(不動産流通機構会員専用の情報交換サービスサイト)より名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

 

3,000万~4,999万円が16件で仲介市場の最大層になる

住宅用地として現実的な比較相手を探すなら、レインズでは3,000万~4,999万円の16件がまず基準になります。高額地の存在感が強い東区でも、仲介市場の中心にあるのは1億円超だけではありません。この価格帯で売れる土地は、面積だけでなく接道・間口・建築しやすさが価格に見合っていることが多く、買主の住宅総額にも収まりやすいからです。売主は「東区の平均価格」よりこの層の競合を見て初期価格を組み、買主は土地代の上限を先に決めてから建物費を残せるかを確認すると、相場から外れにくくなります。

 

表2 レインズにおける2025年名古屋市東区【土地】価格帯別成約件数

価格帯

取引件数

500万円未満

0件

500万~999万円

0件

1,000万~1,499万円

0件

1,500万~1,999万円

1件

2,000万~2,999万円

6件

3,000万~4,999万円

16件

5,000万~7,499万円

6件

7,500万~9,999万円

7件

1億~1億4,999万円

6件

1億5,000万~1億9,999万円

0件

2億~2億9,999万円

2件

3億円以上

0件

出典:REINS(不動産流通機構会員専用の情報交換サービスサイト)より名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

 

100~149㎡が17件で最多、100㎡未満も13件動いた

東区で戸建用地を探すとき、100~149㎡が17件、100㎡未満が13件という厚みは実務的な意味があります。広さを求めるほど土地総額が跳ね上がりやすいため、都心利便性を優先する買主はコンパクトな敷地で建物を成立させる選択をしています。売主は面積が小さいことだけを弱点とせず、間口、道路幅、容積率、駅距離など「この土地で何が建てやすいか」を示す方が評価されます。買主は面積の数字だけで狭いと判断せず、希望間取りと駐車計画が収まるかを建築会社と先に確認するのが合理的です。

 

表3 レインズにおける2025年名古屋市東区【土地】土地面積帯別成約件数

土地面積帯

取引件数

100㎡未満

13件

100~149㎡

17件

150~199㎡

4件

200~299㎡

7件

300~499㎡

3件

500㎡以上

0件

出典:REINS(不動産流通機構会員専用の情報交換サービスサイト)より名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

 

最高2億1,200万円の徳川町は住宅用地の基準にはしない

レインズの最高成約価格は徳川町の2億1,200万円です。東区のブランド性を象徴する高額事例ではありますが、年間44件の中央値4,715万円とは大きな距離があります。高額成約を査定へ使う場合は、所在地だけでなく土地面積、道路条件、用途地域、建築可能規模を合わせて比較しなければなりません。逆に、条件の良いまとまった土地を中央値に寄せて売り出すと、事業者や高額層から見た希少性を安く提供することになりかねません。東区の査定は「高額事例を除く」ことではなく、その土地に高額事例との共通点が本当にあるかを検証する作業が重要です。

最高2億1,200万円の徳川町は住宅用地の基準にはしない

 

 

不動産情報ライブラリ37件と分布図が示す価格の広がり

不動産情報ライブラリでは2025年に37件、平均1億1,143.2万円、中央値8,000万円でした。レインズより高い水準ですが、分布を眺めると低価格から3億円超まで広がっています。ここでは年間平均を結論にせず、固定価格帯と面積帯、分布図の形から「どの程度ばらつく市場なのか」を確認します。

不動産情報ライブラリ37件と分布図が示す価格の広がり

出典:国土交通省>名古屋市より一部抜粋

 

2億~2億9,999万円が8件でも、それが一般住宅地の中心ではない

2億円台の取引が8件あるからといって、東区の一般住宅用地が2億円台へ移ったわけではありません。不動産情報ライブラリは37件の中に高価格・大きな利用価値を持つ土地が多く含まれ、平均1億1,143.2万円を押し上げました。住宅の売却査定でこの平均をそのまま使えば、買主が現れにくい価格になりかねません。一方で、容積率や道路条件を活かせる土地を住宅用地の中央値だけで評価すれば安く見積もる危険があります。東区では価格帯表を「相場表」ではなく、買主層を分けるための地図として使うのが実務的です。

 

表4 不動産情報ライブラリにおける2025年名古屋市東区【土地】価格帯別取引件数

価格帯

取引件数

500万円未満

0件

500万~999万円

0件

1,000万~1,499万円

1件

1,500万~1,999万円

2件

2,000万~2,999万円

2件

3,000万~4,999万円

6件

5,000万~7,499万円

6件

7,500万~9,999万円

5件

1億~1億4,999万円

4件

1億5,000万~1億9,999万円

2件

2億~2億9,999万円

8件

3億円以上

1件

出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

不動産情報ライブラリの活用についてはコチラ⇒不動産購入前必見!不動産情報ライブラリの上手な活用法

 

面積帯は100㎡未満と100~149㎡が各8件で最も多い

不動産情報ライブラリでも100㎡未満と100~149㎡が各8件あり、東区では大きさより「使える面積」をどう確保できるかが価格に直結します。例えば、同じ120㎡でも、間口が広く建物配置に無理がない土地と、道路や形状の制約が強い土地では完成する住宅が違います。売主は面積帯の平均単価を当てるより、建築プランを阻む要素を先に確認した方が査定の説明力が上がります。買主も「150㎡以上なら安心」と面積だけで広げず、必要な延床・駐車・採光を満たす最小面積を知ると、予算と立地を両立しやすくなります。

 

表5 不動産情報ライブラリにおける2025年名古屋市東区【土地】土地面積帯別取引件数

土地面積帯

取引件数

100㎡未満

8件

100~149㎡

8件

150~199㎡

6件

200~299㎡

7件

300~499㎡

6件

500㎡以上

2件

出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

 

分布図では価格と面積の散らばりをそのまま残して読む

この分布図は成約データ37件について外れ値を除外せず忠実に表現しており、価格が高い点と低い点が同じ東区内に混在していることが視覚的に分かります。大切なのは、右上の高額・広い土地だけを見て相場が上昇したと結論づけないことです。反対に、低価格の点だけを見て「東区にも安い土地が多い」と考えるのも危険です。土地は用途地域や道路、建築可能規模で価値が変わります。分布図は価格と面積の関係をつかむ入口として使い、その後に個別条件を重ねることで、売主は過大な期待を避け、買主は見かけの安さに惑わされにくくなります。

 

図1 名古屋市東区 土地取引分布図(2025年)

分布図では価格と面積の散らばりをそのまま残して読む

出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

 

Q1の平均1億2,850万円とQ3の8,433.3万円は成約内容の違いが大きい

Q1平均1億2,850万円とQ3平均8,433.3万円の差を、そのまま半年間の値下がりと読むのは適切ではありません。土地は一件ごとの面積・用途・建築可能規模が大きく違い、東区では数件の高額成約で四半期平均が大きく動きます。ここで見るべきなのは「どの四半期が高かったか」ではなく、中央値と面積、最高価格の組み合わせです。売主は成約時期より近い条件の事例を優先し、買主は四半期平均が低い時期を待つより、希望条件を満たす土地が予算内で出たときに総額を判断する方が現実的です。

 

表6 不動産情報ライブラリにおける2025年名古屋市東区【土地】四半期別取引データ

期間

取引件数

平均成約価格

平均土地面積

成約価格中央値

最高成約価格

最高価格の町名

2025年Q1

12件

12,850.0万円

232.5㎡

9,850.0万円

38,000.0万円

徳川町

2025年Q2

10件

11,660.0万円

199.5㎡

9,900.0万円

25,000.0万円

白壁

2025年Q3

6件

8,433.3万円

198.3㎡

8,400.0万円

13,000.0万円

2025年Q4

9件

10,100.0万円

181.7㎡

7,000.0万円

20,000.0万円

筒井・葵

2025年合計

37件

11,143.2万円

205.7㎡

8,000.0万円

38,000.0万円

徳川町

出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

 

 

2021~2025年の推移で確かめる東区土地市場の変化

過去5年を見ると、東区の土地件数は30~48件の範囲で動き、平均価格も年ごとに大きく変化しています。高額取引の影響を受けやすい市場だからこそ、長期推移では平均価格の線だけを追わず、中央値と平均土地面積を並べて読むと市場の変化が見えやすくなります。

 

取引件数は2023年48件が最多、2025年37件でも市場は継続

過去5年の件数は30~48件で、東区の土地は大量に動く市場ではありません。それでも毎年一定数の成約が続いているため、「件数が減った=需要が消えた」とは言えません。むしろ供給される土地の面積や用途が変わるだけで、年間平均や件数は大きく動きます。2026年を考えるときは、2023年の48件を回復目標のように置くのではなく、直近でどの条件の土地が買主に受け入れられたかを見るべきです。売却では競合の少なさが強みになることもあり、購入では流通量が少ないからこそ事前の資金準備が機会損失を防ぎます。

 

表7 不動産情報ライブラリで見る名古屋市東区【土地】過去5年間の推移

取引件数

平均成約価格

成約価格中央値

平均土地面積

2021年

30件

15,490.0万円

6,900.0万円

273.8㎡

2022年

47件

7,529.8万円

7,000.0万円

176.5㎡

2023年

48件

8,810.4万円

5,500.0万円

205.1㎡

2024年

31件

8,838.1万円

6,600.0万円

214.4㎡

2025年

37件

11,143.2万円

8,000.0万円

205.7㎡

出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより名古屋市東区の土地取引情報を抽出・集計

 

中央値は5,500万~8,000万円で動き、平均ほど振れていない

平均成約価格は2021年1億5,490万円、2022年7,529.8万円、2025年1億1,143.2万円と大きく振れました。これに対し中央値は2021年6,900万円、2022年7,000万円、2023年5,500万円、2024年6,600万円、2025年8,000万円です。中央値も上がり下がりはありますが、平均より市場の中心を追いやすい指標です。2026年に査定価格を考える際は、過去の最高平均を根拠に強気の売出価格を置くのではなく、直近の中央値と近隣成約を重ね、土地固有のプラス・マイナスを加算する方が現実的です。

 

2025年の平均土地面積205.7㎡は5年間で特別大きい年ではない

平均土地面積は2021年273.8㎡、2022年176.5㎡、2023年205.1㎡、2024年214.4㎡、2025年205.7㎡でした。2025年の平均価格上昇を、単純に「土地が広くなったから」とは説明できません。面積以外の立地、用途、道路、建築規模が価格へ効いていると考える方が自然です。この点は東区の実務で重要で、同じ200㎡でも用途地域や容積率が違えば買主の収益計算は変わります。住宅用地では使いやすい間口や整形性が評価され、事業系では建築可能ボリュームが評価されるなど、目的によって価値の源泉が変わります。

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金利と建築費が高価格都市の土地予算へ与える影響

2026年の土地購入では、土地そのものの価格だけでなく、借入金利と建物・造成費を合わせた取得総額がより重くなります。2026年7月31日の金融政策決定後でも、日本銀行が短期市場金利を誘導する水準はおおむね1.0%に据え置かれています。建設工事費も高い水準にあり、東区の高い土地代へ追加負担が重なる点を無視できません。

 

図2 政策金利1.0%程度の環境

金利と建築費が高価格都市の土地予算へ与える影響

出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」

 

住宅取得を動かす要因が増え、土地価格だけの比較では足りない

住宅購入に影響するのは住宅ローンの金利だけではありません。資材価格、エネルギー、為替、人件費などが建築費へ波及し、土地取得後の予算を変えます。東区は土地代の占める割合が大きいため、建物側で予算調整をしようとしても限界があります。売主は買主の総額負担が重くなっていることを理解し、販売価格を「周辺の売出価格」だけで決めないことが大切です。買主は希望エリアを変える前に、建物面積や仕様、諸費用、自己資金の配分を整理すると、土地に使える金額をより正確に決められます。

 

図3 住宅購入に影響する主な要因

住宅取得を動かす要因が増え、土地価格だけの比較では足りない

 

同じ月10万円の返済でも金利差で借入元金は約610万円変わる

35年・元利均等・ボーナス払いなしで毎月10万円を返す単純試算では、金利0.4%なら借入元金は約3,920万円、1.4%なら約3,310万円です。差は約610万円になります。実際の住宅ローン審査は年収や返済比率、金融機関の基準で異なりますが、金利が上がれば同じ家計負担で土地・建物へ充てられる資金が小さくなる方向は変わりません。売主にとっては、以前なら届いた価格帯から買主が外れる可能性を意味します。買主は「借りられる上限」ではなく、金利が上がっても払い続けられる金額から逆算すると安全です。

 

図4 毎月10万円返済時の借入可能額比較

同じ月10万円の返済でも金利差で借入元金は約610万円変わる

ローン電卓が無くても計算出来る⇒誰でもできる!住宅ローン借入可能額の簡単な計算法を紹介します

 

返済額の変化が不安なら、購入価格を決める前に余力を数値化する

変動金利を利用する場合、将来の返済額がどの程度変わっても家計が維持できるかを先に確認します。教育費や車の買替え、修繕費など将来支出が重なる世帯では、現在の返済額だけで購入上限を決めると余力が不足しやすくなります。東区の土地は取得額が大きいため、借入額を100万円単位で増やす判断でも長期負担が変わります。売却側も、買主の資金計画が成立しない価格では内見が入っても契約へ進みません。価格交渉をすべて拒むより、販売期間と手取り額のバランスから戦略を決めることが現実的です。

 

建築総合125.0の環境では追加工事が多い土地ほど総額差が広がる

建築総合の指数は、2020年度平均を100とした基準で2026年4月に125.0となりました。つまり基準年と比べ、建築コストを示す指数は約25%高い水準にあります。この25ポイントの差を個々の住宅見積りへそのまま当てはめることはできません。それでも、土地取得後の建物費を以前と同じ感覚で置けないことは確かです。さらに進入路、地盤改良、擁壁、造成、上下水道、解体などが重なる土地は、土地価格の差以上に完成総額が開きます。買主は申込み前に概算工事費まで取り、売主は追加負担になりそうな条件を先に整理して価格へ織り込む方が、値引き交渉を小さくしやすくなります。

 

図5 2020年度=100に対する建築コスト指数125.0

建築総合125.0の環境では追加工事が多い土地ほど総額差が広がる

出典:国土交通省>統計表月次(Excel形式)(令和8年6月30日付け)より一部抜粋

※2020年比で約25%も住宅の建設工事費は上がっています。近年においても、ウッドショックに始まり、半導体不足による住設機器の相次ぐ値上げ、職人不足による人件費の高騰、円高による輸入部材の高騰、更に今年に入って、エネルギー価格の上昇、ナフサショック等、住宅価格を押し上げる要因は多数存在します。

ナフサショックとは何か?⇒中東情勢と【ナフサショック】で読む住宅価格上昇時代の売買判断基準

 

 

2026年予測|東区では「計画が成立する土地」に需要が残る

2026年の東区土地市場は、区全体が同じ方向へ動くというより、買主が利用価値を読みやすい土地へ資金が集まる展開を想定します。高額取引が出れば平均は上がりますが、それだけで住宅用地全体が値上がりしたとは判断できません。年間件数、中央値、中心価格帯を幅で見て、個別条件の差を重視します。

2026年予測の要点

・年間取引規模は35~45件程度を基本線に置く

・平均より中央値と建築しやすさを優先して読む

・金利と建築費で「買主が成立させられる総額」が厳しくなる

 

年間取引規模は35~45件程度を基本線に見る

不動産情報ライブラリの過去5年は30~48件で推移し、2025年は37件。レインズは2025年に44件でした。二つの件数を足すのではなく、市場の流通感として捉えると、2026年は35~45件程度を一つの目安とします。東区は供給される土地自体が限られ、1件の大型地が件数と価格を動かすため、数件の増減を景気変化と断定しない方がよいでしょう。売主にとっては、競合が少ない時期に条件を整えて市場へ出せるかが大切です。買主は希望条件に合う土地が出た時に資金判断を遅らせない準備が有効です。

 

一般住宅用地は3,000万~8,000万円台を広く見て個別査定する

2025年はレインズで3,000万~4,999万円が最多、不動産情報ライブラリの中央値は8,000万円でした。東区全体を一つの中心価格へ押し込めるより、一般住宅用地では3,000万円台から8,000万円台までを広く視野に入れ、面積・駅距離・道路・用途地域で絞る方が実態に合います。100㎡前後でも好立地なら高い評価が付き、広くても建築制約や総額負担が大きければ単価は伸びないことがあります。2026年は金利負担が加わるため、売主は「希望価格」ではなく買主が比較する代替物件を意識し、買主は安さの理由まで確認するべきです。

 

図6 2,500万円借入時の月々返済額比較

一般住宅用地は3,000万~8,000万円台を広く見て個別査定する

住宅ローンでお悩みの方はコチラ⇒銀行が教えない「住宅ローン変動金利型」の真実!驚愕の5年後返済額

 

高額地は価格より利用可能な建築ボリュームが説明できるかで差が付く

1億円を超える土地では、個人住宅だけでなく収益・事業用途の検討が入ることがあります。その場合、買主は坪単価より建築可能面積、賃料想定、道路条件、法規制、解体・立退きの有無などを見ます。2026年に高額地を売却するなら、周辺の高値成約を並べるだけでは不十分です。どのような利用が可能で、どこにコストが掛かるかを事前に示せる土地ほど検討が進みやすくなります。買主側も「東区だから資産価値が高い」という抽象的な理由ではなく、出口となる売却・賃貸の需要まで数字で考えることが安全です。

 

価格が下がる土地より、買主の計画が成立しにくい土地に調整圧力が出やすい

2026年に一律の価格下落を前提にする必要はありません。ただし、接道や形状に難があり建物プランが限定される土地、解体・造成など追加費用が読みづらい土地、総額が大きいのに利用メリットを説明しにくい土地は、買主の比較で後回しになる可能性があります。反対に駅・生活利便性だけでなく、建築計画を立てやすく追加費用が見えやすい土地は価格を保ちやすいでしょう。売主は市場に出す前の調査精度を上げ、買主は値引き余地だけを狙うのではなく、総コストが明確な土地を選ぶ視点が有効です。

価格が下がる土地より、買主の計画が成立しにくい土地に調整圧力が出やすい

 

 

売却と購入の実務|価格より先に確認したい三つの条件

東区での土地売買は、一般的な郊外住宅地より一件の価格が大きく、判断ミスの金額も大きくなりやすい市場です。売主は高額成約へ寄せすぎず、買主は安い成約へ寄せすぎないことが出発点です。最後は現地と法規、建築計画へ落とし込み、数字が自分の土地・計画に当てはまるかを確認します。

売買判断の要点

・売主は買主層を決めてから価格を組む

・買主は土地より先に建物・造成費の上限を決める

・古家・道路・地盤など追加負担を契約前に見える化する

 

売主は査定額より「どの買主に何を評価してもらうか」を決める

売却では査定額の高さだけで会社を選ぶと、売出価格だけ高くなり販売期間が長引くことがあります。東区では戸建用地、共同住宅・収益用途、事業用途など買主候補が異なるため、最初に想定する買主層を決めるべきです。住宅用地なら生活利便性、間口、建築しやすさを、事業系なら容積率や道路、建築ボリュームを整理します。高値を目指すことと、根拠の薄い価格を置くことは別です。査定時点で複数の売り方を比較し、一定期間で反応が弱い場合の価格変更基準まで決めておくと、値下げを感情で判断せずに済みます。

 

買主は土地契約より先に建物・造成・諸費用の上限を決める

東区の土地探しでは、気に入った場所を先に押さえたくなります。しかし土地代が予算の大半を占めるほど、建物仕様や外構、解体、地盤、登記・融資費用が後から効いてきます。購入申込みの前に建築会社へ相談し、希望建物の概算と敷地固有の追加費用を確認してください。総予算から諸費用と建築費を引き、残りを土地上限とする方が安全です。金利が上がれば同じ月返済で借りられる金額も変わるため、物件価格の交渉だけでなく、自己資金の残し方と借入期間まで含めて判断します。

 

図7 将来の返済負担を先に考える

買主は土地契約より先に建物・造成・諸費用の上限を決める

家デパでは、借入当初の返済額だけでなく、借りた後の事も考えたシミュレーションをおこない商談を進めます。

 

古家付き土地は「解体前提」と「利用可能性」を両方検討する

古家がある土地を売る際、最初から解体して更地にすれば必ず高く売れるわけではありません。建物を利用したい買主がいる場合や、解体時期・建築計画を買主側で調整したい場合もあります。一方、老朽化が著しく内覧や安全面でマイナスが大きい場合は、更地化が販売しやすさにつながることがあります。東区は土地価値が高い場所ほど解体費だけで判断せず、建物の状態、固定資産税、引渡条件、買主層を合わせて比較します。売主は解体見積りを取ったうえで、現況渡しと更地渡しの手取り差を確認すると判断しやすくなります。

 

図8 建築負担が重くなりやすい土地条件

古家付き土地は「解体前提」と「利用可能性」を両方検討する

 

 

FAQ|名古屋市東区の土地売買で迷いやすいポイント

東区の土地相場は価格幅が広いため、「区の平均はいくらか」だけでは実際の売買判断に足りません。ここでは相談時に多い論点を、2025年の成約構造と2026年の金利・建築費環境へ結び付けて整理します。個別土地では用途地域や道路条件で結論が変わるため、最終判断は現地条件と合わせて行ってください。

 

2026年に名古屋市東区の土地価格は下がりますか?

区全体が一斉に下がるという見方はしていません。2025年は高額取引が平均を大きく動かし、価格帯も広く分散しました。2026年は金利と建築費が買主の総予算を抑えるため、利用計画が立てにくい土地や追加工事が多い土地には価格調整が入りやすい一方、駅利便性、道路、形状、建築可能規模の条件が良い土地は需要を保つ余地があります。自宅の土地を判断するときは区平均の上下より、近い面積・用途・道路条件の直近成約と現在の競合売出しを優先してください。

 

平均価格と中央値のどちらを査定の参考にすべきですか?

東区では中央値を最初の目安にしながら、最終的には個別成約へ寄せるのが適切です。2025年はレインズ平均6,677.5万円に対して中央値4,715万円、不動産情報ライブラリ平均1億1,143.2万円に対して中央値8,000万円でした。平均は高額土地の影響を受けやすいため、住宅用地の査定へそのまま使うと強い価格になりがちです。ただし高容積・まとまった土地では平均側の高額事例が参考になる場合もあります。数字の優劣ではなく、自分の土地と同じ買主層が動いた事例を優先してください。

査定の順番:区平均より、①近い成約事例 ②道路・法規 ③現在の競合価格の順で絞り込む。

 

東区で土地を買うなら何㎡程度が探しやすいですか?

2025年のレインズでは100~149㎡が17件で最多、100㎡未満も13件ありました。不動産情報ライブラリでも100㎡未満と100~149㎡が各8件です。そのため、100㎡前後から150㎡未満は流通を見つけやすい帯の一つです。ただし希望する延床面積、駐車台数、庭の有無によって必要面積は変わります。東区では面積を広げるほど購入総額が大きくなるため、敷地面積を先に固定するより、希望間取りを実現できる最小限の土地から検討した方が、エリアや予算の選択肢を残しやすくなります。

 

土地を売る前に測量や解体まで済ませた方がよいですか?

必ずしも全てを先に実施する必要はありません。境界が不明確、面積に疑義がある、越境が疑われる場合は測量の準備が有効ですが、隣接状況や売却条件によって進め方は変わります。解体も同様で、建物を利用する買主が想定できるなら現況の方が選択肢を残せます。大切なのは、測量・解体費を知らないまま売出価格だけ決めないことです。見積りや権利関係を先に確認し、現況渡し・更地渡しそれぞれの手取りと販売対象を比較してから決めると、不要な先行費用を抑えられます。

 

 

松屋不動産販売株式会社 代表取締役 佐伯慶智からのアドバイス

東区の土地では、平均価格や坪単価の読み方を一つ間違えるだけで数百万円、条件によってはそれ以上の差が生まれます。私は査定でも購入相談でも、最初に価格を当てにいくのではなく「その土地を誰がどう使えるか」を確認します。数字の根拠を現地へ戻すことが、売主・買主双方の判断を安定させます。

佐伯慶智の実務視点

・土地の弱点は隠さず価格と販売方法へ織り込む

・高額成約と一般住宅用地を同じ査定ロジックで扱わない

 

売却では道路・形状・容積率を価格説明の中心に置く

東区の土地を高く売るには、単に「人気エリアです」と伝えるだけでは足りません。接道方向と幅員、間口、敷地形状、用途地域、建ぺい率・容積率を整理し、戸建ならどの程度の建物が入りやすいか、事業系ならどの規模まで検討余地があるかを示します。弱点がある場合も隠さず、価格へどこまで織り込んでいるかを説明した方が商談は進みます。買主が現地を見た後に初めて問題を知る売り方は、値引きや見送りにつながりやすく、結果として高値売却から遠ざかります。

売却前チェック:接道幅員・間口・用途地域・容積率・越境・解体条件を販売開始前に整理する。

 

購入では建物完成までの資金表を一枚作ってから申込みをする

土地購入では、物件価格、建物本体、付帯工事、外構、解体・造成、登記、ローン費用、税金までを一枚の資金表に並べることを勧めます。東区は土地価格が高いので、建物予算を後回しにすると、契約後に仕様を大きく落とすことになりかねません。金利変動も含め、月返済に余白を持たせたうえで申込価格を決めるべきです。希望エリアの土地が少ないと焦りやすい市場ですが、買った後の暮らしが苦しくなる価格なら、その土地は予算に合っていません。購入スピードと資金の安全性を両立させる準備が重要です。

 

家デパ知立店では高額事例と一般住宅地を同じ査定ロジックで扱わない

家デパ知立店では高額事例と一般住宅地を同じ査定ロジックで扱わない

家デパ知立店では、東区の土地を一律の平均単価で判断せず、近い成約、現在の競合、道路・法規、建築可能性を重ねて売却戦略を考えます。売主には「いくらで出せるか」だけでなく、どの価格ならどの買主層が反応するか、販売期間が長くなった場合にどこを見直すかまで具体化します。購入相談では住宅ローンと建物費を同時に整理し、土地だけ先に決めることを避けます。査定、販売、資金計画、買換えまで一つの窓口で整理できることが、価格幅の大きい東区では特に役立ちます。

 

 

まとめ|2026年の東区土地市場は総額の見える土地が強い

2025年の東区土地市場は、高額地が平均を押し上げる一方、レインズでは3,000万~4,999万円、100~149㎡に厚い成約がありました。2026年は金利と建築費が総予算を引き締めるため、価格の高さだけでなく「買主が計画を成立させやすい土地か」が一段と問われます。

結論

・2026年は「東区だから高い」より「総額と利用計画を説明できる土地」が強い

・売却・購入とも価格表から個別条件へ一段深く入る

 

2026年は平均価格より土地の使いやすさを説明できる売主が強い

2026年も高額な土地の成約が重なれば、名古屋市東区全体の平均成約価格が押し上げられることはあります。しかし、区全体の平均価格が上昇したからといって、すべての土地が同じように高く売れるわけではありません。東区では、接道、間口、土地形状、用途地域、建ぺい率・容積率、解体や造成の負担などによって、同じ面積でも評価が大きく変わります。売主に求められるのは、高額成約を根拠に価格を上げることではなく、「この土地なら買主がどのような建物を、どの程度の総予算で実現できるのか」まで説明できる状態にすることです。 買主にとっても、東区という立地だけで判断せず、自分の利用目的に対して価格に見合う土地かを見極めることが、2026年の売買ではより大切になります。

 

売却も購入も、最初の一手を家デパ知立店で具体化する

土地を売る方には、査定額だけでなく手取り、販売方法、解体や測量の要否まで整理します。土地を買う方には、住宅ローン、建物・外構費、希望エリアを同じ資金計画上で比較します。買換えなら売却と購入の時期を別々に考えず、資金の流れから逆算することが欠かせません。名古屋市東区は一件ごとの価格差が大きいからこそ、迷ったまま相場表だけを眺めるより、自分の不動産・予算へ数字を置き換えることが早道です。土地の売却・購入で迷う段階から家デパ知立店へお声掛けください。次に調べる条件と優先順位を、個別の土地と資金計画に合わせて具体化します。

売却も購入も、最初の一手を家デパ知立店で具体化する

 
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