名古屋市東区マンション市場2026年予測三千万円台と管理力価格差
「白壁や泉の高額マンションが売れているなら、自宅マンションも同じように値上がりしているのか知りたい」
「3,000万円台の中古を買うとして、管理費や修繕積立金まで含めた負担がどこまで増えるのか不安だ」
名古屋市東区(以降【東区】で表記)は、中古マンションの流通量が多く、築古の低価格住戸から1億円を超える高額住戸まで同じ年に動く市場です。2025年にはレインズで324件、不動産情報ライブラリで481件の成約データが確認できます。平均成約価格は3,722.3万円と3,567.6万円、中央値は3,600万円と3,500万円で、二つの資料が近い水準を示しました。さらに価格帯は3,000万~3,999万円が最も厚く、専有面積では70~89㎡に取引が集まっています。2026年は金利上昇に加え、管理費・修繕積立金や将来の大規模修繕負担が購入判断へ強く影響します。売主は同一棟の成約と管理状態をセットで伝え、買主は物件価格だけでなく毎月・将来の負担を分けて確認することが重要です。
注意事項
本記事における第1四半期(Q1)等の表現は不動産情報ライブラリの表現にあわせています。
第1四半期(Q1)…1月~3月
第2四半期(Q2)…4月~6月
第3四半期(Q3)…7月~9月
第4四半期(Q4)…10月~12月
※一般的な年度(4月スタート)における四半期の表現とは異なりますのでご注意ください。

監修者
松屋不動産販売株式会社
代表取締役 佐伯 慶智
住宅・不動産業界での豊富な経験を活かし、令和2年10月より松屋不動産販売株式会社にて活躍中。それ以前は、ナショナル住宅産業(現:パナソニックホームズ)で8年間、住友不動産販売で17年間(営業10年、管理職7年)従事。
目次
2025年の東区マンションは3,000万円台を中心に高額住戸まで広く動いた
東区マンション市場の強みは、年間数百件の取引があり、価格帯・広さの分布を比較しやすいことです。2025年は二つの成約資料で平均・中央値が近く、3,000万円台が中心という市場像も共通しました。ただし最高価格は1億8,000万円台まで達し、築古低価格住戸もあるため、平均をそのまま個別査定へ使うことはできません。
平均3,700万円前後、中央値3,500万~3,600万円が市場の基準になる
レインズは324件、平均3,722.3万円、中央値3,600万円。不動産情報ライブラリは481件、平均3,567.6万円、中央値3,500万円でした。件数や収録内容は異なりますが、平均で約155万円、中央値で100万円の差に収まり、東区の中古マンション市場を見る軸が3,000万円台半ばにあることが分かります。自宅査定ではこの数字をそのまま当てず、同一棟の直近成約へ移るための基準として使います。買主も3,500万円を予算の正解と考えるのではなく、築年・駅・管理・広さを変えたとき価格がどう動くかを比較してください。

3,000万~3,999万円が両資料で最多になった
価格帯別ではレインズが3,000万~3,999万円88件、不動産情報ライブラリが同帯117件で、両データ共にこの帯域が最多です。4,000万~4,999万円もレインズ55件、Library79件あり、3,000万~4,999万円が東区の実需で厚いゾーンになっています。一方、1,000万円未満や1億円以上も成約があり、築年やグレードによる価格差は大きい市場です。売主は、高額マンションの成約事例に引っ張られず、自宅が中心帯のどこに位置するかを考えます。買主は、同じ3,000万円台でも修繕積立金や築年によって長期負担が違うため、購入価格だけで順位をつけないことが大切です。
70~89㎡がファミリー需要の中核、広さと価格の関係は築年で変わる
レインズでは70~79㎡が101件、80~89㎡が70件。不動産情報ライブラリでは70~79㎡と80~89㎡が各111件です。70~89㎡が市場の中心で、ファミリー向け住戸の流通が厚いことが分かります。ただし、同じ80㎡でも築古の大規模団地と築浅・高グレード物件では価格は大きく違います。売却では「80㎡あるから高い」と考えず、同じマンション内での専有面積差、階数、向き、リフォーム状態を見ます。購入では広さを増やすことによる管理費等の増額も確認し、必要な面積を決めると資金を効率よく使えます。
レインズ324件が示す価格帯と70㎡台の厚い実需
レインズ324件は年間を通じて取引があり、東区の中古マンションで買主が実際に比較した価格帯と専有面積をつかみやすい資料です。Q3は高額住戸の影響で平均が上がり、Q4は107件と件数が最も多くなりました。四半期の平均より、中心帯と同一棟成約を重視して読みます。
Q4は107件で最多、Q3は平均4,273.6万円まで上がった
Q4が107件で最多だった事実より、東区では年間を通じて毎四半期70件以上動いたことの方が重要です。Q3の平均4,273.6万円は高額住戸が重なった影響を受けており、季節だけで価格が上がったとは言えません。売主は「Q3の平均が高いから今も高く売れる」と考えるより、同じマンションの直近成約を優先すべきです。買主も四半期平均の上下で買い時を決めず、同じ棟・同じ広さの住戸が出たときに管理状態と月額負担を確認する方が実務的です。流通量の厚さは、売りやすさより比較されやすさを意味します。
表1 レインズにおける2025年名古屋市東区【マンション】四半期別成約データ
|
期間 |
取引件数 |
平均成約価格 |
平均専有面積 |
成約価格中央値 |
最高成約価格 |
最高価格のマンション名 |
|
2025年Q1 |
70件 |
3,706.1万円 |
70.75㎡ |
3,540.0万円 |
12,000.0万円 |
グランドメゾン久屋大通 |
|
2025年Q2 |
67件 |
3,375.5万円 |
69.94㎡ |
3,280.0万円 |
13,850.0万円 |
グラン レ・ジェイド白壁 月露ノ邸 |
|
2025年Q3 |
80件 |
4,273.6万円 |
72.23㎡ |
4,015.0万円 |
18,400.0万円 |
グラン レ・ジェイド白壁 凛然ノ邸 |
|
2025年Q4 |
107件 |
3,537.8万円 |
68.58㎡ |
3,630.0万円 |
10,400.0万円 |
グラン レ・ジェイド白壁 凛然ノ邸 |
|
2025年合計 |
324件 |
3,722.3万円 |
70.23㎡ |
3,600.0万円 |
18,400.0万円 |
グラン レ・ジェイド白壁 凛然ノ邸 |
出典:REINS(不動産流通機構会員専用の情報交換サービスサイト)より東区のマンション取引情報を抽出・集計
3,000万円台88件が最多、2,000万円台から4,000万円台も厚い
3,000万円台88件が最多という数字は、東区の中古マンションで買主が最も比較しやすい価格ゾーンを示します。2,000万円台と4,000万円台にも厚みがあるため、3,000万円台の売出しは「相場の中心だから売れる」のではなく、競合が多い中で選ばれなければなりません。売主は室内状態、写真、内覧しやすさ、管理資料まで整え、価格以外の不安を減らす必要があります。買主は選択肢が多いからこそ、駅距離・築年・管理のうち優先順位を先に決め、数十万円の差だけで決めない方が満足度を上げやすくなります。
表2 レインズにおける2025年名古屋市東区【マンション】価格帯別成約件数
|
価格帯 |
取引件数 |
|
500万円未満 |
11件 |
|
500万~999万円 |
17件 |
|
1,000万~1,499万円 |
22件 |
|
1,500万~1,999万円 |
22件 |
|
2,000万~2,999万円 |
42件 |
|
3,000万~3,999万円 |
88件 |
|
4,000万~4,999万円 |
55件 |
|
5,000万~5,999万円 |
28件 |
|
6,000万~6,999万円 |
20件 |
|
7,000万~7,999万円 |
8件 |
|
8,000万~9,999万円 |
7件 |
|
1億円以上 |
4件 |
出典:REINS(不動産流通機構会員専用の情報交換サービスサイト)より東区のマンション取引情報を抽出・集計
70~79㎡が101件で最大、80~89㎡まで含めると過半数
70~79㎡が101件で最も多く、80~89㎡まで含めると過半数になるため、東区ではファミリーが比較しやすい広さに流通の厚みがあります。ただし同じ75㎡でも価格は大きく違い、築年、駅距離、階数、管理状態、ブランドが総額を分けます。売主は「70㎡台だからこの価格」と単純に置かず、同一棟の専有面積が近い成約を探すべきです。買主も広さだけを基準にすると、築古の修繕負担や管理費の差を見落とします。必要な部屋数と収納を満たすなら、面積を少し下げて立地や管理を優先する選択も有効です。
表3 レインズにおける2025年名古屋市東区【マンション】専有面積帯別成約件数
|
専有面積帯 |
取引件数 |
|
50㎡未満 |
36件 |
|
50~59㎡ |
42件 |
|
60~69㎡ |
47件 |
|
70~79㎡ |
101件 |
|
80~89㎡ |
70件 |
|
90~99㎡ |
20件 |
|
100㎡以上 |
8件 |
出典:REINS(不動産流通機構会員専用の情報交換サービスサイト)より東区のマンション取引情報を抽出・集計
最高1億8,400万円と最低240万円が同じ区内に存在する
2025年のレインズ最高成約はグラン レ・ジェイド白壁 凛然ノ邸の1億8,400万円、逆に最低は240万円でした。価格差が70倍を超えるため、東区全体の平均だけで自宅マンションの価値を語れないことが明確です。高額住戸は築浅、立地、面積、グレードなど複数の要因が重なり、築古低価格住戸は建物年数や管理・権利・住戸条件を確認する必要があります。売主は別格の高額事例を広告上の夢として使うより、同じマンション・同じ築年帯の成約を優先してください。買主は安い価格に理由があることを前提に、管理資料まで見て判断します。
不動産情報ライブラリ481件と分布図で見る市場の広がり
不動産情報ライブラリは2025年481件で、レインズより件数が多く、過去5年との比較にも向いています。平均3,567.6万円、中央値3,500万円で、価格帯の中心はレインズとよく似ています。分布図では専有面積が広くなるほど価格が上がる傾向だけでなく、同じ面積でも大きな価格差があることが確認できます。
481件のうち3,000万円台が117件、4,000万円台が79件
不動産情報ライブラリでも3,000万円台117件が最大で、4,000万円台79件が続きます。レインズと同じ価格帯に厚みがあるため、3,000万~4,000万円台が2025年の東区マンション市場を読む基準になりやすい一方、これを自宅査定へ直接当てるべきではありません。築古500万円台と1億円超の住戸が同じ区内にあり、マンションは棟ごとの差が土地以上に大きいからです。売主は区の平均より同一棟成約、買主は価格帯より管理・築年・駅距離を優先すると、数字を実際の物件選びへつなげられます。
表4 不動産情報ライブラリにおける2025年名古屋市東区【マンション】価格帯別取引件数
|
価格帯 |
取引件数 |
|
500万円未満 |
17件 |
|
500万~999万円 |
24件 |
|
1,000万~1,499万円 |
26件 |
|
1,500万~1,999万円 |
46件 |
|
2,000万~2,999万円 |
78件 |
|
3,000万~3,999万円 |
117件 |
|
4,000万~4,999万円 |
79件 |
|
5,000万~5,999万円 |
39件 |
|
6,000万~6,999万円 |
30件 |
|
7,000万~7,999万円 |
10件 |
|
8,000万~9,999万円 |
9件 |
|
1億円以上 |
6件 |
出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより東区のマンション取引情報を抽出・集計
不動産情報ライブラリの活用についてはコチラ⇒不動産購入前必見!不動産情報ライブラリの上手な活用法
※不動産情報ライブラリの成約データは物件の特定がされないように、マンション名は伏せられています。また、金額についても近似値(例:5,380万円なら5,400万円など)になっておりますのでご注意ください。
70~79㎡と80~89㎡が各111件で、広めの実需層が厚い
70~79㎡と80~89㎡が各111件あることは、「広めだから高い」という単純な市場ではなく、ファミリー向け住戸の選択肢が非常に多いことを意味します。売主にとっては同じ広さの競合が多い分、階数や向き、室内状態、管理の説明が価格差になります。買主は80㎡台へ広げれば必ず満足度が上がるわけではなく、管理費・修繕積立金も面積に連動して高くなる場合があります。必要な広さと毎月負担を一緒に見ることで、購入価格だけでは分からない長期コストを比較できます。
表5 不動産情報ライブラリにおける2025年名古屋市東区【マンション】専有面積帯別取引件数
|
専有面積帯 |
取引件数 |
|
50㎡未満 |
89件 |
|
50~59㎡ |
37件 |
|
60~69㎡ |
80件 |
|
70~79㎡ |
111件 |
|
80~89㎡ |
111件 |
|
90~99㎡ |
39件 |
|
100㎡以上 |
14件 |
出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより東区のマンション取引情報を抽出・集計
分布図は同じ70㎡台でも価格が大きく違う理由を考える入口になる
分布図では70~90㎡付近に点が多く集まる一方、同じ専有面積でも価格は幅広く散らばります。この差は分布図だけでは築年、階数、駅距離、管理状態まで説明できないため、図から勝手に理由を推測してはいけません。ただし「広さだけで価格が決まらない」という市場構造は明確です。売主は自宅と同じ面積の高額点だけを根拠にせず、同一棟の履歴へ戻ります。買主は単価が低い住戸を見つけたら、築年や管理、室内状態など価格差の理由を別資料で確認してください。分布図は比較項目を洗い出すために使うと効果的です。
図1 名古屋市東区 マンション取引分布図(2025年)

出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより東区のマンション取引情報を抽出・集計
Q4は154件で最多、年間を通して中央値3,000万円台を維持した
Q4の154件という多さは、年末だけ市場が強くなったというより、東区マンションの流通量そのものが厚いことを示します。四半期の中央値は大きく崩れず、3,000万円台を中心に売買が続きました。売主には「買主が多い」より「比較される物件が多い」と考えてほしいところです。価格を少し高く置くだけで、似た条件の別物件へ流れる可能性があります。買主にとっては選択肢がある分、焦って契約する必要はありませんが、条件の良い住戸は競合も多いため、ローン事前審査と管理資料の確認方法を先に整えておくと動きやすくなります。
表6 不動産情報ライブラリにおける2025年名古屋市東区【マンション】四半期別取引データ
|
期間 |
取引件数 |
平均成約価格 |
平均専有面積 |
成約価格中央値 |
最高成約価格 |
最高価格の町名 |
|
2025年Q1 |
113件 |
3,617.4万円 |
66.5㎡ |
3,600.0万円 |
12,000.0万円 |
泉 |
|
2025年Q2 |
96件 |
3,231.8万円 |
67.7㎡ |
3,000.0万円 |
14,000.0万円 |
白壁 |
|
2025年Q3 |
118件 |
3,801.9万円 |
64.7㎡ |
3,750.0万円 |
18,000.0万円 |
白壁 |
|
2025年Q4 |
154件 |
3,560.8万円 |
67.3㎡ |
3,500.0万円 |
12,000.0万円 |
代官町 |
|
2025年合計 |
481件 |
3,567.6万円 |
66.6㎡ |
3,500.0万円 |
18,000.0万円 |
白壁 |
出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより東区のマンション取引情報を抽出・集計
成約価格情報319件と不動産取引価格情報162件で中心価格に差がある
481件の内訳は、成約価格情報319件と不動産取引価格情報162件です。前者の平均は3,702.2万円、中央値3,600万円、後者は平均3,302.5万円、中央値2,900万円で、同じ東区でも価格情報区分によって中心値が異なります。ここを一つの数字に丸めると、3,000万円前後の実需層と3,000万円台後半の成約層の違いが見えにくくなります。売却査定では区全体の平均をそのまま使わず、同一棟・近い築年・専有面積の成約を優先してください。買主も平均価格ではなく、自分が検討する物件群の価格帯へ絞る方が判断しやすくなります。
表7 不動産情報ライブラリにおける2025年名古屋市東区【マンション】価格情報区分別件数
|
価格情報区分 |
件数 |
平均成約価格 |
成約価格中央値 |
|
不動産取引価格情報 |
162件 |
3,302.5万円 |
2,900.0万円 |
|
成約価格情報 |
319件 |
3,702.2万円 |
3,600.0万円 |
出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより東区のマンション取引情報を抽出・集計
5年間で件数と中央値が切り上がった東区マンション市場
過去5年間を見ると、東区マンションは件数が増え、平均・中央値も緩やかに切り上がっています。2021年から2025年まで平均専有面積は66㎡前後で大きく変わっていないため、単に広い住戸が増えたから価格が上がったとは言いにくく、築浅・高額ストックの流通や市場全体の価格水準変化が影響しています。
取引件数は347件から481件へ増え、流通の厚みが拡大した
2021年347件から2025年481件へ増えたことは、東区で中古マンションの売買機会が広がっていることを示します。ただし件数増加だけで需要が強いと決めるのではなく、供給された住戸数や築浅物件の流通も影響します。売主にとって重要なのは、流通量が多い市場ほど価格や管理状態で比較されることです。買主には、希望条件を絞れば過去成約を探しやすいという利点があります。2026年も件数の多さを「何でも売れる市場」と捉えず、同一棟・近似条件のデータが豊富に使える市場として活用する方が正確です。
表8 不動産情報ライブラリで見る名古屋市東区【マンション】過去5年間の推移
|
年 |
取引件数 |
平均成約価格 |
成約価格中央値 |
平均専有面積 |
|
2021年 |
347件 |
3,020.8万円 |
2,900.0万円 |
66.0㎡ |
|
2022年 |
360件 |
3,263.8万円 |
3,100.0万円 |
67.3㎡ |
|
2023年 |
352件 |
3,281.6万円 |
3,100.0万円 |
66.1㎡ |
|
2024年 |
425件 |
3,452.4万円 |
3,400.0万円 |
66.0㎡ |
|
2025年 |
481件 |
3,567.6万円 |
3,500.0万円 |
66.6㎡ |
出典:国土交通省>不動産情報ライブラリより東区のマンション取引情報を抽出・集計
中央値は2,900万円から3,500万円へ5年間で600万円切り上がった
成約価格中央値は2021年2,900万円、2022年3,100万円、2023年3,100万円、2024年3,400万円、2025年3,500万円です。5年間で600万円上がっており、実需の中心価格が切り上がったことが確認できます。ただし、これを「すべてのマンションが約2割上がった」と解釈するのは危険です。流通するマンションの築年やグレード構成が毎年同じではないからです。自宅の価格変化を知るには、同一マンションの過去成約を時系列で並べる方が精度は上がります。買主も区中央値の上昇だけで焦らず、候補物件の個別履歴を確認してください。
平均専有面積は66㎡前後で安定し、価格上昇を広さだけでは説明できない
平均専有面積は2021年66.0㎡、2022年67.3㎡、2023年66.1㎡、2024年66.0㎡、2025年66.6㎡とほぼ横ばいです。平均価格が3,020.8万円から3,567.6万円へ上がった間も、平均の広さは大きく変わっていません。そのため、価格上昇は専有面積の増加だけではなく、築浅物件の流通、立地評価、建築・土地コストの上昇、物件グレードなど複数要因で考える必要があります。2026年の売却では過去の上昇率をそのまま掛けず、同一棟の最新成約へ重きを置くことが適切です。

金利・管理・修繕費が2026年の購入負担を左右する
2026年のマンション購入は、物件価格と住宅ローンだけでは家計負担を読み切れません。管理費、修繕積立金、駐車場、固定資産税が毎月・毎年続き、将来の大規模修繕や積立金改定も影響します。金利が上がる局面ほど、初期価格と維持費を分けて確認することが重要です。
図2 政策金利1.0%程度の環境

マンション購入要因と政策金利を合わせて月額負担を見る
2025年7月31日の金融政策決定会合決定後も、短期市場金利に対する日本銀行の誘導目線はおおむね1.0%のままです。住宅ローン金利は金融機関ごとに異なりますが、借入額が大きい東区のマンションでは小さな金利差も月返済へ表れます。さらに、マンションには管理費・修繕積立金があるため、ローン返済だけで予算上限を決めないことが大切です。売主も買主の月額負担を意識し、管理費等が高い物件なら、その理由となる管理サービスや修繕状況を説明できるようにします。価格の安さだけでなく毎月払う総額が比較軸になります。
図3 マンション購入に影響する主な要因

2,500万円借入の月返済差と借入可能額の縮小を同時に考える
2,500万円を30年返済する試算では、金利0.4%で月約7.37万円、1.4%で約8.51万円。35年・月10万円返済の試算では借入可能額が約3,920万円から約3,310万円へ縮小します。どちらも比較用の単純試算ですが、金利上昇で「買える価格」と「毎月払える価格」が変わることを示します。東区の中心である3,000万円台後半を購入する世帯ほど、頭金や返済期間の置き方で選択肢が変わります。売主は以前の成約価格だけを追わず、現在の買主が同じ月額でどこまで借りられるかも意識すると価格設定に納得感が出ます。
図4 2,500万円借入時の月々返済額比較

住宅ローンでお悩みの方はコチラ⇒銀行が教えない「住宅ローン変動金利型」の真実!驚愕の5年後返済額
建築総合125.0の環境では修繕工事費の将来負担にも目を向ける
2026年4月の建築総合は125.0で、2020年度平均を100とする基準から25ポイント上にあります。建築コストを示す水準が基準年を約25%上回っている一方、この統計を各マンションの修繕見積りへ直接掛け算することはできません。ただ、次回工事を従来並みの単価で見込むだけでは資金計画が甘くなりやすい環境です。築古マンションを買うときは、現在の修繕積立金の安さではなく、長期修繕計画と積立残高で次の工事を賄えるかを確認すべきです。売主も積立金改定や大規模修繕予定を先に示し、将来負担を説明できる状態にしておく方が、価格だけの比較から抜け出しやすくなります。
図5 2020年度=100に対する建築コスト指数125.0

出典:国土交通省>統計表月次(Excel形式)(令和8年6月30日付け)より一部抜粋
※2020年比で約25%も住宅の建設工事費は上がっています。近年においても、ウッドショックに始まり、半導体不足による住設機器の相次ぐ値上げ、職人不足による人件費の高騰、円高による輸入部材の高騰、更に今年に入って、エネルギー価格の上昇、ナフサショック等、住宅価格を押し上げる要因は多数存在します。
ナフサショックとは何か?⇒中東情勢と【ナフサショック】で読む住宅価格上昇時代の売買判断基準
段階増額積立方式では将来の引上げ幅と長期修繕計画を確認する
修繕積立金には均等積立方式と段階的に増額する方式などがあり、現在の金額が低くても将来の引上げが予定されている場合があります。購入時は長期修繕計画、積立金残高、借入金の有無、総会での改定方針を確認してください。売却では「修繕積立金が安い」ことだけをメリットにせず、将来計画が適切に作られているかを説明した方が安心材料になります。管理が良いマンションは、建物の古さだけでは測れない価値を持ちます。東区で同価格帯の物件が多いほど、管理の透明性が買主の最後の比較材料になりやすいと考えます。
図6 段階増額積立方式を確認する際の参考資料

出典:国土交通省>段階増額積立方式における適切な引上げの考え方についてより一部抜粋
修繕積立金の上昇シナリオを教えます⇒マンション購入で後悔しない―修繕積立金の値上げとコスト増の見通し
2026年予測|3,000万円台の厚みと管理差が価格を分ける
2025年の中心価格帯、過去5年の上昇、金利・維持費を合わせると、2026年の東区マンション市場は流通量を保ちながら、築年・管理・立地で価格差が明確になると見ます。全面的な値上がりを前提にせず、取引件数と中央値を幅で想定し、高額物件と築古物件は別々に評価します。
|
2026年予測の要点 |
|
・年間450~500件程度の厚い流通を想定 |
|
・中央値は3,500万~3,800万円程度を中心に見る |
|
・3,000万~4,999万円は競合が多く管理状態が差になる |
年間取引規模は450~500件程度を基本シナリオとする
不動産情報ライブラリの件数は2024年425件、2025年481件まで増えました。レインズでも2025年324件あり、東区は中古マンションの流通が厚い地域です。2026年のマンション市場規模として450~500件程度を一つの目安とします。金利上昇で購入時期を見直す層がいても、住替え・相続・投資など売却理由は多様で、流通が急に止まるとは見ていません。ただし新築供給や大型物件の引渡し、中古売出し件数によって変動します。売主は件数の多さを安心材料にせず、競合が多い市場で選ばれる準備が必要です。
成約価格中央値は3,500万~3,800万円程度を中心に想定する
2025年の中央値はレインズ3,600万円、不動産情報ライブラリ3,500万円で近く、過去5年も2,900万円から3,500万円へ切り上がってきました。2026年は3,500万~3,800万円程度を市場全体の中心レンジとして想定します。金利負担は上値を抑える一方、建築費や都心近接の利便性は価格の下支え要因になります。ただしこのレンジは区全体の目線で、築古500万円台と1億円超の高額住戸を含む東区では個別査定に使えません。自宅の売却価格は同一棟成約、買主の申込価格は管理状態と住戸条件まで確認して決めます。
3,000万~4,999万円は取引の主戦場として競争が続く
二つの資料で3,000万円台が最多、4,000万円台も多いため、2026年も3,000万~4,999万円は最も比較が激しいゾーンになると見ます。この価格帯では、買主が同じ予算で複数物件を検討できるため、売主は「東区だから売れる」だけでは不十分です。室内状態、写真、内覧しやすさ、管理資料、引渡条件を整え、価格以外の不安を減らす必要があります。買主にとっては選択肢が多い分、条件を広げすぎると決められません。駅、築年、管理、広さのうち譲れない二つを先に決めると比較がしやすくなります。また、金利上昇局面においては、審査金利も上昇していくため、同年収・同返済額で考えた場合、借入可能額は減少していくことも考えておかないといけません。
図7 毎月10万円返済時の借入可能額比較

ローン電卓が無くても計算出来る⇒誰でもできる!住宅ローン借入可能額の簡単な計算法を紹介します
1億円超の高額住戸は市場平均より個別希少性で判断する
2025年はレインズで1億円以上4件、不動産情報ライブラリで6件あり、東区には高額住戸の需要があります。ただし高額帯は買主層が限られ、金利より自己資金や資産選好の影響が大きいケースもあります。白壁・泉などの地名だけで高値を保証できるわけではなく、築浅、専有面積、階数、眺望、駐車場、共用部、ブランドなど複数の条件がそろう必要があります。売主は同一棟の高額成約を最優先し、成約までの期間も含めて戦略を立てます。買主は希少性に納得できるか、将来売却時に同じ需要が期待できるかを確認してください。
売却と購入の実務|同一棟成約と管理資料から順に見る
マンションは同じ住所・同じ建物でも価格差が出るため、売主と買主が見るべき比較単位は「東区」より「同じマンション」です。管理費や修繕積立金の変更は住戸単独では変えられないため、専有部分と共用部分を分けて確認します。2026年は価格交渉より情報の透明性が成約の速さへ効きやすくなります。
|
売買判断の要点 |
|
・売主は区平均より同一棟成約を優先 |
|
・買主はローン・月額維持費・将来修繕を三層で見る |
|
・管理資料の透明性が価格交渉と成約速度に影響する |
売却では同一棟の直近成約を起点に階数・向き・室内状態を調整する
査定では、まず同じマンションの直近成約を探します。その上で専有面積、階数、方位、眺望、角部屋、リフォーム、駐車場の確保状況などを比較し、自宅の差を金額へ反映します。同じ棟の成約が少ない場合に初めて近隣・同築年のマンションへ広げます。東区全体の平均3,500万円台を先に当てると、高額マンションも築古マンションも同じ物差しになってしまいます。売主が高値を狙うなら、査定根拠を買主にも説明できる状態にすることが大切です。値付け理由が明確な住戸は、価格交渉にも対応しやすくなります。
管理費・修繕積立金の改定予定は売却前から開示できるようにする
買主は、重要事項調査で管理費や修繕積立金、滞納、工事予定などを確認します。売却前に改定予定があるなら、売主は後から説明するより早い段階で正確に伝えた方が信頼を得られます。月額負担が上がること自体が必ず売却のマイナスではありません。必要な修繕へ備えるための合理的な増額で、長期修繕計画と積立残高が整っていれば、管理の健全性として説明できます。逆に安い積立金が将来不足につながる方が買主にとって不安です。売主は管理組合から最新資料を取り寄せ、仲介会社と内容を共有してください。
図8 マンションは管理を買うという視点

マンションは管理状態の確認が大事です⇒中古マンション購入の格言『マンションは管理を買え!』の意味を知る
買主は「ローン」「毎月維持費」「将来修繕」を三層に分ける
資金表は三段に分けると整理しやすくなります。第一に住宅ローンを含む取得費、第二に管理費・修繕積立金・駐車場などの月額費、第三に既存住宅ローンの金利上昇にともなう返済額の上昇と積立金改定や一時金といった将来負担です。3,000万円台の物件でも維持費が高ければ家計負担は4,000万円台の別物件に近づく場合があります。反対に価格がやや高くても、管理・修繕が安定し将来負担が読みやすい物件は長期保有しやすいでしょう。東区は比較物件が多いため、購入価格の数十万円差だけで決めず、10年後までの支出を含めて選ぶことを勧めます。
図9 将来の支払い負担を三層で確認する

図版:松屋不動産販売株式会社作成。5年ルール・125%ルールの採用は金融機関・商品により異なります。
家デパでは、購入後の金利上昇もシミュレーションして、安心して生活できる提案をしています。
FAQ|名古屋市東区のマンション売買でよくある質問
東区マンションは物件数が多く、売却・購入の判断材料も豊富です。その反面、高額成約や低価格住戸だけを切り取ると自宅の相場を誤ります。よくある相談では、築年・管理・同一棟成約の三つを順番に確認すると答えが出やすくなります。2026年の金利環境も含め、代表的な疑問を整理します。
2026年に東区のマンション価格は下がりますか?
区全体が大きく下がることを基本シナリオにはしていません。2025年は二つの資料で中央値3,500万~3,600万円、過去5年でも中央値は上昇してきました。一方、金利上昇で買主の借入余力は抑えられ、管理費・修繕積立金の負担も意識されます。そのため築浅・管理良好・駅利便性の高い物件は価格を保ちやすく、築古で将来負担が不透明な物件は価格調整が入りやすいと見ます。自宅の将来価格を知りたい場合は、区平均の予測より同一棟の成約推移を確認する方が精度は高くなります。
3,000万円台ならどのマンションでも売りやすいですか?
3,000万~3,999万円は2025年に最も成約が多い価格帯ですが、その価格に置けば自動的に売れるわけではありません。買主の比較物件も多い帯なので、相場から100万~200万円離れただけでも内覧数へ差が出る場合があります。築年数、駅、専有面積、管理、室内状態、駐車場などの条件が価格に見合う必要があります。売主は「中心帯だから強気」にするのではなく、同予算で買える競合の中で自宅が何番目に選ばれるかを考えてください。買主側は選択肢が多いからこそ、管理資料まで比較すると良い物件を見分けやすくなります。
修繕積立金が高いマンションは避けた方がよいですか?
金額の高さだけで避けるのは適切ではありません。大規模修繕へ必要な資金を計画的に積み立てている結果として高い場合もあり、反対に現在の積立金が安くても将来大幅な増額や一時金が必要になるマンションもあります。確認すべきは、長期修繕計画、積立金残高、工事履歴、滞納状況、今後の増額予定です。購入時は月額を家計へ入れ、売却時は負担の理由を管理状態とセットで説明します。「安い=良い」「高い=悪い」ではなく、必要な修繕を持続できる水準かで判断してください。
積立金は金額より中身⇒長期修繕計画、積立残高、工事履歴、増額予定、一時金の可能性をセットで確認する。
売却前に室内を全面リフォームした方が高く売れますか?
全面リフォームが有効かは築年と買主層によります。築古で室内状態が悪く、同じマンションにリフォーム済みの競合が多い場合は一定の効果があります。一方、高額な工事をしても買主の好みに合わず、費用全額を売却価格へ上乗せできないこともあります。まず現況のまま査定し、清掃・部分補修・設備交換・全面改修の費用と想定売却価格を比較してください。東区は流通件数が多く、現況物件を自分でリフォームしたい買主もいます。手取りを最大化するなら、工事をすること自体を目的にせず費用対効果で決めるべきです。
図10 リフォーム工事を強く推してくる業者の思惑

リフォームを勧める業者はやめた方が良い⇒リフォーム頼みの不動産仲介業者が倒産危機!不動産買う前に読んで!
松屋不動産販売株式会社 代表取締役 佐伯慶智からのアドバイス
東区マンションの査定で私が最初に見るのは、区の平均ではなく同一棟の成約と現在の売出しです。その次に管理資料を確認し、室内条件を重ねます。購入でも順番は同じです。物件価格を先に気にしすぎると、管理の良し悪しや将来負担が後回しになります。長く所有する資産だからこそ、共用部分の健康状態を重視します。
|
佐伯慶智の実務視点 |
|
・築年より管理が続けられるマンションかを見る |
|
・売却前に管理資料を揃えるだけでも買主の不安を減らせる |
売主は売出価格を決める前に管理資料を揃える
管理規約、総会議事録、長期修繕計画、修繕積立金残高、大規模修繕履歴、管理費等の改定予定は、買主の安心感へ直結します。東区では同価格帯のマンションが多く、室内がきれいでも管理情報が不足すると比較で不利になりかねません。売却前に資料を揃えれば、仲介会社も「この価格で売る理由」を説明しやすくなります。管理に課題がある場合も、隠すより事実と今後の対応を正確に示すべきです。買主が契約直前に初めて知る状況を避けることが、値引きやキャンセルのリスクを下げます。
売却前に用意したい管理資料⇒管理規約、総会議事録、長期修繕計画、積立金残高、管理費等の改定予定。
買主は築年数より「管理が続けられるマンションか」を見る
築年数は分かりやすい比較項目ですが、古いマンションでも適切な修繕と管理が続いていれば、安心して住める場合があります。反対に築浅でも積立計画が弱かったり、管理組合の運営に課題があったりすれば、将来負担は読みにくくなります。購入時には専有部の内覧だけでなく、エントランス、廊下、ゴミ置場、駐車場など共用部の状態も見てください。長期修繕計画の工事時期と積立残高を確認し、月額負担が増えても家計が維持できるかを考えます。物件価格を数十万円下げることより、長く持てる建物を選ぶ方が資産防衛につながります。
家デパ知立店では同一棟成約と資金計画を一つの相談で確認する

家デパ知立店では、売却では同一マンションの成約、競合、管理状態から価格と販売戦略を組み立て、購入では住宅ローンと管理費・修繕積立金を合わせた毎月負担を確認します。買換えでは今のマンション売却額が次の購入予算に直結するため、査定と資金計画を同じ窓口で進める方が判断しやすくなります。東区は物件数が多く、比較するほど迷うこともあります。希望条件を広げる前に、何を優先すれば予算内で満足度が上がるかを整理し、売る方にも買う方にも具体的な選択肢をご提示します。
まとめ|2026年の東区マンションは管理の説明力が価格を支える
2025年の東区マンションは、3,000万円台と70~89㎡を中心に厚い取引があり、中央値も3,500万円台で安定しました。2026年は金利だけでなく、管理費・修繕積立金と将来修繕の透明性が価格評価へさらに入り込みます。同じマンションでも管理・住戸条件で差が付く市場になります。
|
結論 |
|
・2026年は物件価格だけでなく管理の説明力が資産価値を支える |
|
・同じ棟でも住戸条件と管理状況で成約価格は分かれる |
2026年は「安い物件」より将来負担を説明できる物件が選ばれる
買主は物件価格が安い理由だけでなく、購入後にどれだけ支出が続くかを見ます。修繕積立金の増額予定、大規模修繕の時期、管理状態が明確なマンションは、将来の資金計画を立てやすい点が強みです。売主は高値成約だけを根拠にするのではなく、管理の良さや室内状態を具体的に示してください。買主はローン返済と維持費を分けて試算し、築年・価格・管理の三つが自分の保有期間に合うかを確認します。2026年は価格表より管理資料の中身を読むことが、失敗を避ける近道になります。
売却・購入・買換えの判断を家デパ知立店で数字に置き換える
マンションを売る方には、同一棟成約を基にした査定と、競合を踏まえた販売開始価格・価格見直しの基準を整理します。買う方には、住宅ローン、管理費、修繕積立金、駐車場を合算した資金計画と、管理資料の確認をお手伝いします。買換えなら売却時期と購入時期のずれが資金へ影響するため、両方を同時に設計します。名古屋市東区のマンションは選択肢が豊富だからこそ、情報量だけでは決められません。マンションの売却でも購入でも、家デパ知立店では比較する数字を必要なものへ絞り、資金と管理の両面から行動順序を明確にします。




