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投稿日:2024/12/20

5分で学ぶ!不動産売買契約書の『引渡し前の滅失・損傷』と白紙解除

5分で学ぶ!不動産売買契約書の『引渡し前の滅失・損傷』と白紙解除

不動産売買契約を結ぶ際、契約書に含まれる「引渡し前の滅失・損傷」条項をご存じですか?この条項は、自然災害や不可抗力によって物件が損傷または滅失した場合に、売主と買主の双方がどのように対応すべきかを定めた非常に重要な内容です。特に、契約解除や白紙解除といったリスク管理の方法は、不動産購入初心者が必ず押さえておくべきポイントです。この記事では、「危険負担」の考え方や修補手続き、自然災害時の具体例を交えながら、契約解除までの流れをわかりやすく解説します。これを読めば、不動産購入時にどのような事前対策が必要なのかが理解でき、安心して契約を進めるための知識が身につきます!

 

 

不動産売買契約における「引渡し前の滅失・損傷」とは?

「引渡し前の滅失・損傷」とは、契約を締結してから物件を引き渡すまでの間に、自然災害や予期せぬ事故によって物件が損なわれるケースを指します。具体例として、台風による浸水や地震による建物の崩壊などが挙げられます。この条項の目的は、こうした事態に直面した際の売主と買主の対応を明確にすることにあります。

たとえば、物件が引渡し前に大規模な地震で損壊した場合、売主には修復を試みる義務がありますが、修復が不可能な場合には契約解除が認められます。一方、買主には契約解除後に代金や手付金の返還を受ける権利があり、経済的なリスクを軽減できる仕組みが整っています。

さらに、この条項には売主と買主の公平性を保つための重要な意図が含まれています。たとえば、売主が修復可能な損傷を放置しないよう責任を明確にし、買主には修復が難しい場合に契約解除を求める権利を保証しています。このような規定は、契約当事者が不測の事態に迅速に対応できる環境を整える役割を果たします。

 

契約条項が定める範囲と目的

「引渡し前の滅失・損傷」に関する条項は、不動産取引におけるトラブルを未然に防ぐための重要な役割を果たします。

引渡の滅失・損傷

この条項の主な目的は、売主と買主の責任を明確にすることです。具体的には以下の状況に対応します

  • 自然災害による被害

たとえば、台風や地震による建物の損壊。

  • 人為的な不可抗力

火災や事故など、売主・買主のどちらの責任でもない損害。

 

また、この条項は不動産取引における公平性を維持するための基盤でもあります。売主には損傷が軽微な場合には修復義務が課され、修復が難しい場合には契約解除が認められる仕組みが整えられています。買主は契約解除に伴う返金や代金補償を受ける権利を持つため、両者が合理的に取引を進められる環境が提供されます。

具体例として、台風の直撃で建物の屋根が一部損壊した場合、売主が修復して引き渡す責任を負います。一方で、地震で建物が全壊した場合には、修復が不可能であるため契約解除が認められるケースもあります。

 

法的背景と民法改正のポイント

2020年に施行された民法改正では、「引渡し前の滅失・損傷」に関する規定がより明確化され、不動産取引におけるリスク回避が容易になりました。この改正の主なポイントは次のとおりです:

  • 危険負担の具体化

売主が修復できない場合や買主が契約解除を行える条件が明確になりました。たとえば、修復に過大な費用がかかる場合や修復が不可能と判断された場合が対象です。

  • 契約解除の手続き

修復が難しい場合の契約解除の流れが明示され、双方がスムーズに対応できる仕組みが整いました。

  • 返金手続きの規定

契約解除後に売買代金や手付金が迅速に返還されることが規定されました。

 

この改正の背景には、自然災害が頻発する現代の状況があります。

我が国における自然災害の発生件数及び被害額の災害別割合

我が国の自然災害発生件数及び被害額の推移

引用元:中小企業庁 2 我が国における自然災害の発生状況より一部抜粋

 

たとえば、上図にある通り日本において自然災害の発生件数は増加傾向にあります。また、自然災害による被害額から見ても、ひとたび発生すれば甚大な被害となっているのがよく分かります。このような状況において、「引渡し前の滅失・損傷」に関する規定は、売主と買主がトラブルを回避するための有効な指針として機能します。

 

さらに、これらの規定が明確化されたことで、契約時における不確実性が軽減されました。たとえば、売主が修復不可能な物件の引渡しを無理に進めるリスクや、買主が返金を受けられない不安が大幅に減少しました。このような法的枠組みが整備されることで、売主と買主の双方が安心して取引を進めることができるようになりました。

 

 

契約後に物件が損傷した場合、何が起きるのか

不動産売買契約では、契約締結後から物件の引渡しまでに損傷が発生する場合、契約書に記載された条項に基づいて対応が行われます。特に地震や台風などの自然災害による損傷は、売主と買主のどちらの責任でもないため、「危険負担」という法律のルールに従って対応が決定されます。「危険負担」とは、物件の滅失や損傷が発生した際に、損害や責任をどちらが負担するかを明確にする法律上の概念であり、民法第536条第1項で規定されています。原則として、引渡しが完了するまでは売主がリスクを負い、引渡し後は買主がリスクを負います。

(債務者の危険負担等)

第536条

1.当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。

2.債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

損傷の程度や修復の可能性によって、修補義務、契約解除、代金返還といった手続きが適用されます。そのため、契約書を正確に理解し、修補の範囲や期限、解除の条件が明記されているかを確認することが不可欠です。また、返金のタイミングや方法が明確になっていることで、契約後のトラブルを防ぐことができます。

 

自然災害や不可抗力による損傷の具体例

自然災害や不可抗力による損傷は、不動産売買契約におけるリスクとして考慮されます。以下は具体的な事例です:

  • 台風による被害

強風や豪雨で屋根が破損したり、建物内部に浸水が発生したりするケース。修補費用は50万円から100万円以上に達することがあり、一時的な住居の確保も必要になる場合があります。

  • 地震による崩壊

建物が全壊または半壊し、居住が困難になる場合。再建築には2,000万円以上の費用がかかることが一般的で、住宅ローンの返済と再建負担が重くのしかかります。

  • 火災や爆発事故

近隣で発生した火災や事故が原因で建物が損傷するケース。修復費用は数百万円に上る可能性があり、保険の適用範囲や賠償請求が課題となります。

 

 

これらのケースでは、損傷が軽微であれば売主が修補を行い、引渡しを完了します。一方、修復が不可能または過大な費用がかかる場合には、契約解除が適用されます。

 

危険負担とは?リスク分担の考え方

「危険負担」とは、引渡し前に物件が滅失または損傷した場合に、売主と買主のどちらがリスクを負うかを定めたルールです。民法第536条第1項では、物件の引渡しが完了するまでは原則として売主がリスクを負うとされています。この原則により、引渡し前に発生した損傷や滅失の責任は基本的に売主に帰属します。

しかし、契約書に特別条項が設けられる場合や特定の条件が合意されている場合、この原則は変更可能です。たとえば、買主が特定のリスクを受け入れる形で契約が成立することもあります。

具体的な対応としては以下のポイントが挙げられます

  • 修補義務

損傷が修復可能である場合、売主が修補を行い、引渡しを完了させます。

  • 契約解除

修復が不可能または修補費用が過大な場合、契約解除が適用されます。

  • 代金返還

契約解除後、買主が支払った代金や手付金は速やかに返還されます。

 

たとえば、地震によって建物が全壊した場合、売主が修復不可能と判断した場合には契約解除が認められ、買主に支払済みの代金が迅速に返還されます。このようなルールは、不動産取引における公平性を確保し、売主・買主双方が安心して契約を進めるために欠かせません。危険負担に関する条項を契約書に正確に盛り込むことで、取引全体の透明性が高まり、トラブルの発生を防ぐことが可能になります。

不動産取引をスムーズに進めるためには、契約書の内容を詳細に理解し、双方の責任とリスク分担について十分な合意を得ることが重要です。特に危険負担の考え方を正確に理解しておくことで、突発的な損害が発生した場合でも適切な対応が可能となります。

 

 

白紙解除が適用される条件と流れ

白紙解除とは、不動産売買契約が特定の条件下で解除され、契約前の状態に戻されることを指します。具体的には、自然災害や不可抗力によって物件が滅失・損傷し、修復が不可能と判断される場合や、売主が契約上の義務を履行できない状況で適用されます。この手続きは、売主と買主のどちらにも責任がない状況、または契約条項に基づいて行われます。不動産取引における白紙解除は、契約解除の条件とその後の流れを正確に理解することが重要です。

さらに、白紙解除のプロセスには、特定の法的基準や実務的な手順が含まれます。例えば、解除が適用される条件として「自然災害による重大な損傷」や「当事者いずれの責めによらない」などが明確に規定されていることが多いです。これにより、トラブルを未然に防ぎ、双方が納得のいく形で解除手続きを進めることが可能になります。

白紙解除が適用される条件と流れ

 

契約解除の具体的な手続き

契約解除を行う際の手続きは以下の流れに沿って進められます。例えば、売主が引渡し義務を履行できず契約解除が必要になった場合、売主が買主に対して速やかに通知を行い、契約書に基づく解除条件に該当する旨を伝え、両者が合意解除に至ることで、円滑に手続きを進められます。

  • 契約解除の通知

契約解除を求める当事者が、書面または適切な形式で通知を行います。通知には解除理由が明確に記載される必要があります。例えば、台風による建物の全壊や隣戸からの延焼により半焼したなど、具体的な理由を記載します。

  • 契約条項の確認

契約書に記載された解除条件を確認し、契約解除が適切に行われていることを証明します。この際、契約条項には「修復が不可能な場合」や「自然災害による重大損傷」などの具体的な基準が含まれていることが重要です。

  • 合意解除

売主と買主の間で契約解除に関する合意を得る場合、両者が書面で合意を記録します。書面には、返金の詳細や物件の原状回復に関する取り決めも明記されます。

  • 解除の実行

解除後の代金返還や物件の原状回復に向けた手続きを進めます。例えば、手付金返還が銀行振込で行われる場合、その期限や手続きが明確に取り決められる必要があります。

 

 

これらの手続きは、契約解除の透明性を保ち、後のトラブルを回避するために不可欠です。また、弁護士や不動産の専門家に相談することで、手続きをスムーズに進めることができます。

 

契約解除後の手付金返金や責任の所在

契約解除後の重要な手続きのひとつに、手付金の返金や責任の整理があります。不動産売買契約では、手付金の返金に関する条件が契約書に明記されていることが一般的です。

  • 手付金返金の手続き

解除後、売主は受け取った手付金を無利息で買主に返還する義務があります。この際、返金の期限や方法が明確に取り決められていることが重要です。返金が遅延した場合、買主は契約書に基づき法的措置を講じることが可能であり、これには遅延損害金の請求や裁判手続きが含まれることがあります。これにより、買主の権利が保護される仕組みとなっています。

  • 責任の所在

解除がどちらの責任によるものかを明確にすることで、損害賠償請求のトラブルを防ぎます。たとえば、自然災害など売主・買主のいずれにも責任がない場合は、双方が追加の損害を負担しない形で解決します。

 

実際の事例から見る白紙解除の事例と注意点

白紙解除が適用された事例として、以下のようなケースが挙げられます

  • 事例1:自然災害による契約解除

大規模な地震で物件が全壊し、修復が不可能であったため契約解除が行われたケース。この場合、買主は支払済みの手付金全額を返還されました。

  • 事例2:近隣の火事による半焼

近隣で発生した火災により対象物件が半焼し、住居として利用するのが困難となったケース。この場合、買主は契約解除を求め、売主が支払済みの手付金を返還しました。このケースでは、売主は契約を白紙解除されましたが、半焼した建物を取り壊し、物件を「土地」として再販売し、新たな買主を探す対応を行いました。

 

注意点として、契約解除に関連するすべての条件が契約書に明記されていることが不可欠です。例えば、解除の条件として “自然災害による滅失の場合” や “当事者いずれの責めによらない” など具体的な状況が記載されていることが重要です。また、自然災害や売主・買主いずれの責めにもよらない事象が発生した場合に契約を白紙解除できる条項を明確に規定することが推奨されます。これにより、双方が予期せぬトラブルを回避し、手続きがスムーズに進められるようになります。さらに、手付金返還の期限や返還方法が明示されていることで、解除後の手続きを円滑に進めることができます。解除に伴う手続きは弁護士や専門家のサポートを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

不動産取引における契約解除は、適切な準備と専門家の助言を受けることで、スムーズかつ公平に進めることが可能です。

どうしようもない?引渡し後の自然災害による建物の倒壊

このコラムでは、『引渡し前の滅失・損傷』の内容を説明しております。これは、引渡し完了前であれば、自然災害等により物件の引渡しが困難となった場合、その契約を白紙解除出来るとする契約条項のことです。但し、引渡しを受けた後では、この契約条項で契約を解除することは出来ません。

すでに引渡しが完了しているため『代金の支払いを拒む』ことも『契約を解除する』こともできません。つまり引渡し時に危険負担は売主から買主へ移転をしているため、引渡し後に生じた物件の損傷や滅失についての危険負担は買主にあるという事です。引渡し直後であれば、買主も泣くに泣けない状況になりますが、民法ではそのように規定されています。そう考えると物件購入前に自然災害について十分に調査しておくことが非常に重要になります。

 

 

売主・買主が取るべき事前対策とリスク回避策

不動産取引は、高額な資産が関わるため、売主と買主の双方が事前にリスクを回避するための対策を講じることが求められます。この章では、法的トラブルの予防、取引の透明性向上、そして信頼関係の強化に役立つ具体的な方法を解説します。

 

売主による物件管理の重要性

売主にとって、物件の適切な管理は、不動産取引の信頼性を高めるための基盤となります。

  • 定期的な点検と維持管理

建物の老朽化や設備の故障を防ぐため、以下のような定期的な点検を推奨します。

・年1回の外壁検査、給排水設備のチェック

・5年ごとの屋根のメンテナンス

電気配線や防火設備の点検 これにより、建物の安全性を保ち、取引時のトラブルを防ぐことができます。

  • 重要書類の準備

以下の書類を整理しておくことで、買主からの信頼を得られます。

・建築確認済証や登記簿謄本

・修繕履歴、設計図書、申請書類

これらの書類は交渉をスムーズにし、買主の意思決定を容易にします。

  • 保険の加入

火災保険や地震保険などを活用することで、不測の事態に備えることができます。たとえば、火災保険は再建費用をカバーし、地震保険は大規模災害時の経済的損失を軽減します。

 

契約書に盛り込むべき条項とその効果

契約書は、不動産取引におけるリスクを最小限に抑えるための重要なツールです。以下に、盛り込むべき条項とその効果を説明します。

  • 「引渡し前の滅失・損傷」に関する条項

・損傷が軽微な場合、売主が修補義務を負うこと

・修復が不可能な場合、契約解除と手付金返還を明記すること これにより、売主と買主の責任が明確になり、トラブルの発生を防ぐことができます。

  • 手付金の返還条件

解除後7日以内に返還するなど、具体的な期限と方法を記載します。 この明記により、解除後の手続きがスムーズになります。

  • 特約事項

例:解体費用負担、土地の測量、越境物の除却など 特有の条件を記載することで、双方の合意を明確化します。

 

 

これらの条項は、契約内容を透明化し、売主・買主双方のリスクを軽減する効果があります。

 

買主が注意すべき確認事項と交渉ポイント

買主は、契約前に物件や契約内容を徹底的に確認することで、リスクを最小限に抑えることができます。

  • 物件の現地確認

以下の点に注意して現地調査を行います。

・雨漏り、外壁のひび割れ、基礎部分の劣化

・騒音、日当たり、近隣住民の状況

・地盤の安定性や浸水の履歴 また、近隣の治安や将来の開発計画について情報を収集することも重要です。

  • 契約書の精読

契約書を弁護士や不動産の専門家とともに確認し、曖昧な記述や不利な条項を見逃さないようにします。

・不動産専門の弁護士によるチェック費用は1件あたり約5万円です。

・不動産会社の契約書チェックサービスも活用できます。

  • 価格交渉のポイント

物件の状態や市場価格を参考に交渉を行います。

・老朽化物件の場合、修繕費用を考慮して値引きを求める

・引渡し期限や修繕条件を交渉する

 

買主はこれらの点を意識することで、納得のいく取引を進めることが可能です。さらに、購入後のリスクを最小限に抑えるために、火災保険や地震保険への加入も検討するべきです。

最後に

不動産取引は多くの要素が絡む複雑なプロセスですが、適切な準備と専門家の支援を活用することで、安全で効率的に進めることができます。売主と買主がそれぞれの責任を果たし、透明性の高い取引を行うことで、双方にとって満足のいく結果が得られるでしょう。

 

 

実例で学ぶ!「引渡し前の滅失・損傷」条項の現場での活用

不動産売買契約において、「引渡し前の滅失・損傷」条項は、売主と買主のリスク分担を明確化する重要な役割を果たします。本章では、自然災害や事故など予期せぬ事態が発生した際に、この条項がどのように実際の取引で活用されるのか、具体例を通じて解説します。これにより、取引当事者が直面する可能性のあるシナリオと、その際の対応方法を理解することができます。

 

自然災害が発生した場合の対応策

自然災害が発生した場合、「引渡し前の滅失・損傷」条項は、売主と買主双方が適切な対応を取るためのガイドラインとなります。以下は具体例です。

  • 地震による全壊

契約締結後、引渡し前に大規模な地震が発生し、物件が全壊した場合、この条項に基づき契約は白紙解除となります。この際、売主は被災状況を証明する書類(例:罹災証明書)を準備し、買主に提出する必要があります。解除手続きには、売主から買主への正式な通知が必要であり、双方が合意した上で手付金返還やその他の必要な調整が進められます。また、解除後の費用負担や代替措置についても契約書に基づき協議することで、トラブルを回避できます。

  • 台風による一部損壊

台風で屋根が破損し、修復が必要となった場合、売主が修復を行い、修復完了後に引渡しが実施されます。売主は修復に関する作業内容や期間を記載した報告書を作成し、買主に提示する必要があります。さらに、専門業者による修復作業完了書や保証書を提出することで、修復内容が契約書の基準を満たしていることを確認します。契約書に修復の期限や条件が明記されていることで、これらの手続きを通じて双方の信頼関係を維持できます。

 

 

このように、自然災害による損傷が発生した場合でも、契約条項を正確に整備しておくことで、双方が公平かつ迅速に対応できます。

 

法的トラブルを避けるための注意点

法的トラブルを避けるためには、「引渡し前の滅失・損傷」条項の内容を具体的かつ明確に記載することが重要です。たとえば、「物件が滅失または重大な損傷を受けた場合、売主は速やかに買主に通知し、修復の可否を協議する」といった表現を用いることで、責任範囲や次のアクションを明確にできます。以下の注意点を押さえましょう。

  • 条項の詳細な記述

・滅失や損傷が発生した場合の責任分担を明確にする。

・修復が困難な場合の契約解除条件を明記する。

・手付金返還や追加費用負担についての記載を加える。

  • 買主への説明責任

売主は契約締結時に、条項の内容を買主に対して十分に説明し、双方が内容を理解した上で合意することが求められます。

  • 第三者の確認

契約書の内容が法的に有効であるかを確認するため、専門家にチェックを依頼することが推奨されます。契約書の専門的チェックでは、不動産専門の弁護士や司法書士が適切なアドバイスを提供します。

 

プロに依頼すべきケースとそのメリット

「引渡し前の滅失・損傷」条項を適切に運用するためには、プロのサポートが不可欠な場合があります。具体的には、不動産専門の弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼することが推奨されます。費用の目安は、契約書のリーガルチェックの場合で5万円程度、複雑な案件では10万円以上かかる場合もあります。また、地域の弁護士会や不動産関連団体が提供する無料相談を活用する方法もあります。これにより、契約書の妥当性を確認し、不明点を事前に解消できます。

 

以下は具体例です。

  • ケース1特殊な物件の場合

売買物件が埋蔵文化財包蔵地内に存在する場合、古墳、城跡などから出土品が発見される場合があります。その場合、建物の建築差し止めや延期、調査費の負担など様々な問題が起こる可能性があります。よって、『試掘の結果、埋蔵文化財が発見された場合は、本売買契約は白紙解除とします』と特約を追加することで、トラブルを回避する事ができます。もちろん事前に行政や教育委員会などにこのような事案が発生した場合の個人(法人)の費用負担の有無を確認しておくことが重要です。

  • ケース2自然災害の多い地域での取引

地震や台風が頻発する地域では、詳細なリスク分担を記載することで、トラブルを回避できます。たとえば、「自然災害による損壊の場合、修復費用を売主が負担する」「修復が不可能な場合、契約を解除し手付金を返還する」など具体的な条項を盛り込むことが推奨されます。

 

法律のプロに依頼することで、契約書の内容が法的に適切であることを確認でき、取引全体がスムーズに進行するメリットがあります。また、専門家のアドバイスを受けることで、将来発生し得るリスクを事前に回避することが可能です。

「引渡し前の滅失・損傷」条項を適切に活用することで、売主・買主双方にとって透明性の高い安心な取引を実現することができます。

 

 

『引渡し前の滅失・損傷』まとめ

不動産売買契約で重要な役割を果たす「引渡し前の滅失・損傷」条項は、売主と買主が予期せぬトラブルに備えるための基本ルールを提供します。この条項があることで、自然災害や事故など予測不能な状況でのリスク分担が明確になり、双方が安心して取引を進めることができます。たとえば、売主が修復費用を全額負担し、修復が不可能な場合には契約解除と手付金返還を行う、といった具体的な取り決めが例として挙げられます。特に地震や台風による損壊といったケースでは、この条項が迅速で円滑な解決をもたらします。

こうした条項の効果を最大限に引き出すためには、売主と買主の合意をしっかりと形成し、双方が条項の内容を正確に理解することが大切です。また、弁護士や司法書士などの専門家を活用することで、契約書の内容を精査し、トラブルの発生を防ぐことができます。

具体例として、大規模な台風で屋根が損壊した物件の場合、売主が契約書に基づいて速やかに修復を行い、買主が予定通りに引渡しを受けた成功事例があります。この事例では、契約条項に修復期限や費用負担の詳細が明記されていたため、トラブルが発生することなく取引が完了しました。

「引渡し前の滅失・損傷」条項は、不動産取引のリスクを最小化し、双方に安心をもたらす重要な仕組みです。適切な準備と専門家のサポートを組み合わせることで、安全で効率的な取引を実現できるでしょう。

特に重要なポイント

  • 条項の明確化

修復義務や解除条件、手付金返還の具体的な手続きを明記。

  • 事前説明と合意

売主と買主が条項内容を確認し、合意を形成する。

  • 専門家の活用

弁護士や司法書士のレビューで契約書を精査し、リスクを最小化。

  • 地域特性への対応

自然災害が多い地域や特殊な物件の場合、個別の条項調整が必要。

  • 迅速な対応

損傷や滅失が発生した場合、契約内容に基づき迅速に手続きを進める。

 

 

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松屋不動産販売株式会社の代表取締役、佐伯 慶智(さえき よしのり)です。この度は「引渡し前の滅失・損傷」条項に関するコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。本記事を通じて、不動産取引におけるリスク回避や安心な取引の重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。

 

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